シンポジウム

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2024年2月1日(木)ハイブリッド開催

今こそ飼料の国産化を!PartⅡ ~飼料自給率向上に向けた課題とは~

主催者挨拶

雪印メグミルク株式会社 酪農総合研究所長 戸邉 誠司

皆様、こんにちは。雪印メグミルク酪農総合研究所の戸邉でございます。日頃より、私ども雪印メグミルクグループ並びに酪総研の取組みに対しまして、ご理解とご協力を賜っておりますこと、心より御礼申し上げます。
本年1月1日、年明け早々に北陸能登地方を震源とする震度7の大変大きな地震が発生し、お正月をお祝いする家族団らんの中、帰省された方を含めて多くの方々が被災し、たくさんの方がお亡くなりになりました。被害に遭われた皆様に対し心からお見舞い申し上げますとともに、残念ながら尊い命を落とされた方々のご冥福を心よりお祈りいたします。

本シンポジウムにつきましては、昨年同様、会場でのご参加、WEBでの参加のハイブリッド形式で開催させていただきます。飼料価格が高止まりしている中、飼料の国産化に対する酪農業界の関心度は非常に高く、今回も320名を超える大変多くの皆様方にご参加いただいております。誠にありがとうございます。

さて、新型コロナウィルスの世界的な感染拡大、ロシアのウクライナ侵攻、そして中東でのイスラエルとパレスチナの紛争と、世界的に大混乱している状況が継続しています。それらによって、エネルギー資源や原材料価格が高騰し、国際輸送・供給網の大混乱を引き起こし世界中であらゆる物価が上昇しました。
これに加えて、我が国においては、急激な円安により物価上昇に拍車がかかり、改めて食料安全保障への関心が高まり、議論が始まっているところです。

酪農乳業界においても乳製品過剰在庫の問題が顕在化したことから、生産抑制策に踏み切ったこと、加えて飼料・肥料など資材価格急騰が酪農経営を直撃し、酪農家の皆様は非常に厳しい環境が継続しており、離農される方が増加し、生乳生産量が回復しない非常に難しい状況にあります。酪農乳業一体となってこの難局を乗り切るべく様々な対策を施し、乳価を複数回上げるなどの対策はしてきていますが、なかなか明るい兆しが見えないのが現状です。
こうした中、色々な場面で様々な方が提唱していますが、やはり粗飼料自給率を向上させ、濃厚飼料自給率も少しずつ増やしていく事で、不安定な海外依存からの脱却を実現させ、日本酪農の強靭性を高めて、真の持続可能性に繋げていかなければなりません。

こうした状況を踏まえまして、本日の酪総研シンポジウムでは、「今こそ飼料の国産化を!PartⅡ~飼料自給率向上に向けた課題とは~」をテーマとして、拡がりを見せる国産飼料の利活用に係る取り組みや今後の展望、またベースとなる自給粗飼料の確保・流通等にスポットを当て、議論を深めたいと考えております。

本日、まず講演1題目は、「自給飼料利活用に係る北海道現場事例」として、“高品質な自給飼料を確保する”というテーマで、北海道更別村 (株)更別TMRセンター 代表取締役 林中潤様にご講演頂きます。

講演2題目は、「自給飼料利活用に係る都府県現場事例」として、お二方からご講演頂きます。
まず、お一人目が、 “酪農経営において国産飼料100%へのチャレンジ”というテーマで、千葉県いすみ市 (有)高秀牧場 代表取締役 高橋憲二様にご講演頂きます。

続いてお二人目は、 “共創その先へ ~地域丸ごと農場計画”をテーマに、岡山県津山市 (一社)LAアライアンス 代表理事 永禮淳一様にご講演頂きます。

その後の総合討議では、ゲストコメンテーターの酪農学園大学 農食環境学群 循環農学類 教授 日向貴久様から、「飼料自給率向上に向けた濃厚飼料自給の重要性と実践事例」をテーマに情報提供頂きながら、座長に雪印種苗株式会社 事業本部トータルサポート室長 松本啓一様をお迎えして、進めてまいります。

 

ここ札幌にご参集いただいた皆様ばかりでなく、リモートで参加いただいている皆様方からも、是非とも活発なご質問・ご意見を頂ければと思います。限られた時間ではありますが、どうぞよろしくお願い致します。

最後になりましたが、本日のシンポジウムに参加して、少しでも多くの方が飼料の国産化率向上にチャレンジしてみようと思っていただけるような場になれば本望でございます。皆様方にとって有意義なシンポジウムになることを祈念いたしまして、開会の挨拶とさせていただきます。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。

以上

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