シンポジウム

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2017年(平成29年)2月2日

酪農現場の"カイゼン"を考える-酪農現場で発生するロスとその対策-

主催者挨拶

雪印メグミルク株式会社 常務執行役員 酪農総合研究所長 池浦 靖夫

只今、ご紹介いただきました雪印メグミルク酪農総合研究所の池浦でございます。
本日は、皆さま大変ご多忙の中、酪総研シンポジウムに、このように多くの方のご参加を頂きまして、ありがとうございます。

現在、わが国酪農は、高齢化や担い手不足による飼養戸数の減少とともに、乳用牛頭数の減少傾向が続いており、生乳生産基盤の弱体化が止まらないという危機に直面しています。

農林水産省では、平成26年度より「乳用牛ベストパフォーマンス会議」を開催し、乳用牛の増頭に向けた取組みとともに、泌乳能力や繁殖成績を最大限に発揮させ、生乳生産基盤の回復・強化を図る取組みを進めてきています。

酪農現場においては、これまでも生産者をはじめ関係団体、研究機関、行政、企業等が連携して、酪農経営が持つ資源や機能を最大限に発揮させるべく、たゆまぬ酪農技術の開発、改善、その普及に向けた取り組みが行われてきています。

しかし、多くの投資と時間を費やしても、そこに潜むロスに気づかず、繰り返すようなことがあれば、酪農経営に重大な損失を与えることは言うまでもありません。

“ロスが有ることを知り、原因を明確にして、それに対して効果的な対策を実行する”、この一連の取組みが結果として経営の向上、安定、持続に直結していくものと考えます。

本日の酪総研シンポジウムは、【酪農現場の“カイゼン”を考える】、副題として「酪農現場で発生するロスとその対策」をテーマとして企画し、『自給飼料』『乳牛事故』『生乳品質』という3つの側面に焦点を当てて、生産現場で、今まさに発生しているロス(損失)の実態とその対策について、講演をいただきます。

はじめに、「自給飼料の生産・調製から利用における損失(ロス)の実態と対策」という視点から、雪印種苗株式会社 営業本部 トータルサポート室 主事の佐藤尚親先生に、続いて「乳用牛の事故発生状況と後継牛確保への対策」という視点から、北海道農業共済組合連合会 家畜部長の廣田和久先生に、そして「安全でおいしい牛乳・乳製品供給のための生乳生産のロス低減」という視点から、公益社団法人 北海道酪農検定検査協会 専務理事の熊野康隆先生に講演をお願いしています。

いずれも、持続的な酪農経営のため、重要な視点からのご指摘をいただけると思います。

酪農生産現場の日々の取組みを着実な成果に結びつけていくためには、本日ご参加の酪農生産者の方々、酪農に関わる関係者や研究者の方々など、酪農生産現場にたずさわる皆様の連携が何よりも大切です。

そして、成功事例とともに、経験した失敗の事例とその対応策を地域に、仲間に、そして、これからの担い手・後継者にしっかりと伝えていくことが、今後の酪農産業のさらなる発展のために重要なことであると思います。

雪印メグミルクグループにおいても、雪印種苗とともに、生産者の方々と連携して進めている自給飼料生産の拡大とその活用のための「実証圃場」や「経営実証農家」の調査研究、地域における牧草の植生改善などの取り組みを通して、お役に立てれば考えております。

最後になりましたが、本日のシンポジウムが地域での取組みや課題解決に向けての一助となる、有意義なディスカッションの場としていただきたく、皆様にお願いしまして、開会のご挨拶とさせていただきます。
本日はよろしくお願いいたします。


以上

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