シンポジウム

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2012年(平成24年)2月3日

牛乳・乳製品の機能性・おいしさを科学する

第1講演『乳製品の有用成分とその機能性』

東北大大学院農学研究科教授 斉藤 忠夫 氏

はじめに

食品として唯一分子設計されているのは、天然物の中ではミルク位しかないと思われます。ミルクを飲みすぎて病気になったということはありません。それは食品として作られているからです。

学校給食では牛乳は毎日出されています。その理由は、学校給食から牛乳を抜くと一日に必要なカルシウム量を確保できなくなるからです。日本は、戦後数千万人規模で、給食により臨床的実験をやったとも言えます。学校給食で、きちんと牛乳を飲む習慣をつけたおかげで、現在の日本の長寿が成立しているといえるのではないでしょうか。しかし、残念ながら20代の一番牛乳を飲んでいただきたい世代に学校給食の経験が生かされていなく、牛乳の飲み方が少なくなってきていることは残念ですが、学校給食が重要な役割を果たしてきたということはとても重要です。

1.牛乳の有用成分と機能性

最近の栄養学の考え方は、なるべく短時間で栄養素を沢山効率よく摂るという「栄養素密度」を重視しています。牛乳はコップ1杯で約140キロカロリー、女性ですと一日必用カロリーの約8%にしか相当せず、残りの92%は好きなものが食べられます。カルシウムは1日620mg必用ですが、その約三分の一をコップ一杯で補えます。特にビタミンB群を多く含み、栄養素密度が高い食品と言えます。いかに低カロリーで高密度かということですね(スライド1)。

スライド1

スライド2

  • 乳糖(ラクトース)

    すべての生物にとって最も重要な栄養成分はグルコース(ブドウ糖)です。赤ちゃんに利用しやすいように最初からブドウ糖が入っていればすぐ利用できますが、やはり甘すぎるでしょうし、あらゆる微生物が欲しがります。ここからが一つの学説ですが、ブドウ糖の左側(非還元末端側)にガラクトース(β1-4結合)が結合して二糖になりますと(何故β1-4なのか説明できませんが)、一気に多くの微生物の利用性が下がってきます。左側のガラクトースは脳に使われ、右側のグルコースはエネルギーに使われると考えられています。赤ちゃんはグルコースからガラクトースを作り出すのにエネルギーを使いますから、最初からあったら、脳の活動に必須のガングリオシドの中の糖鎖構造を作るのにすぐ使えるということでいわゆるready to useの考え方をしているかもしれません(スライド2)。

    乳糖に関しては、この二糖を作り出すことができた哺乳動物だけが自然界の淘汰のなかで生き残ったのではないかと考えられます。

    乳糖が甘くないのは、赤ちゃんは甘すぎるといっぱい飲めないからです。また、これについては後述しますが、消化しづらいようにも作られています。これは、乳糖が小腸で全て分解吸収されずに、大腸に移行した際の乳酸菌の糖源となり、整腸作用に大切なのです。これらのことは、やはり乳は食品であるということを教えています。

  • 脂肪

    牛乳の中の脂肪は99.8%がトリグリセリドです。グリセロールに対して3箇所に脂肪酸が結合しています(スライド3)。乳脂肪の構成脂肪酸にはパルミンチン酸とオレイン酸が多く、あまり不飽和度が高くなくて、中鎖の飽和脂肪酸のために、消化しやすい。あとは、酪酸、カプロン酸、カプリル酸という非常に低級な脂肪酸があります(スライド4)。牧草が分解される過程で出てきます。こういうものが含まれていることが乳脂肪の最大の特徴で、これが無いとチーズの特徴的な味と香りが出てきません。

    一昔前まではリノール酸、リノレン酸は体に良いと言われていましたが、今はリノール酸を摂り過ぎるとアラキドン酸のカスケード反応が動いてアレルギーが起きるので、なるべく摂らないようにということになっています。牛乳はリノール酸、リノレン酸は殆ど入っていないので、脂肪によるアレルギーは非常に少ないと言えます。

    スライド3

    スライド4

    最近問題になっているトランス型脂肪酸(トランス酸)は摂りすぎると動脈硬化、心筋梗塞などの心疾患になる可能性を高めるので、アメリカ心臓協会は目の敵にしています。ニューヨークでは2006年以降、条例を出してトランス酸がファストフード店などで使われないようにしています。トランス酸はバクセン酸という形で2~5%乳脂肪に含まれています。

    スライド5

    スライド6

    良い方の脂肪酸としては、ウシの第一胃内でリノレン酸が水素添加される過程で作られる共役リノール酸があり、がんを防ぐ、脂質代謝改善、動脈硬化抑制などの作用が知られています(スライド5)。

    アメリカでは2006年以降、トランス酸、総脂肪、コレステロールの表示が義務付けられました。日本の場合は、和食は脂肪が少なく、世界が理想としている食事は実は和食なのです。したがって、和食プラス牛乳・乳製品が私は理想的な食事だと思います。世界の動向の中で、隣の韓国もトランス酸は規制の対象となり、今後は日本でも規制されるかもしれません。

    アメリカでは牛乳のキャップの色で脂肪率が一目で分かるようになっています(スライド6)。一番売れているのは2%の脱脂乳。特濃牛乳のような脂肪率の高い牛乳があるのは日本だけだと思われます。私が見た中では全乳でも3.25%が一番高く、1%の脱脂乳や無脂肪乳は人気がありませんでした。アメリカでは脂肪含量に気をとられすぎて、逆に、子供達に重要な栄養成分が牛乳から摂られていなく、全乳が見直されているようです。アメリカの牛乳には通常ビタミンDが添加されています。

  • タンパク質

    最近はホエータンパク質が注目されています。アメリカの場合は大量にチーズを作り、大量にホエーが出ます。そのホエーをどうやって売っていくか。通常のWPCやWPI製品だけではとても無理なので、アメリカではジェネラルニュートリションセンター(GNC)を作ってそこで、店員にボディービルダーを配置して、ホエータンパク質をアスリート向きの食品として売っています。チーズ産業と健康食品業界が協力する形でホエーを上手に販売しています。

    スライド7

    スライド8

    何故牛乳タンパクが良いのか。それはリジンが多いからです。「桶の理論」(スライド7)ですが、図の左側は牛乳でリジンの含量が高い。これは、人は合成できないので食品で補わなければならない必須アミノ酸です。リジンの含量が高ければ桶に水がいっぱい入る、食パンだとかお米はリジン含量が少ないので、いっぱい食べないとタンパク質は摂れません。そこで、それに牛乳・乳製品を足すことによって、食事中のリジン含量が高くなれば、効率良く理想的なタンパク質量を摂れるというのが「桶の理論」です。

    牛乳のタンパク質は3%程度ですが、そのうち80%がカゼインで、20%がホエータンパク質です。カゼインはαs1-、αs2-、β-、κ-の4グループに分かれます(スライド8)。カゼインは分子構造が非常に変わっていて、このような分子は地球上に少ないだろうと思われます。加熱して伸びる、硬くならないタンパク質はカゼイン以外地球上には無いと思われます。だからチーズの独特の加熱して伸びるという食感に繋がるのです。カゼインは110℃で10分間加熱してもびくともしません。その特徴の一つには分子の中にプロリンというアミノ酸が多く、しかも均質に存在するために構造がアットランダム構造となり、耐熱性が生じるのです。ここで言いたいのは、カゼインには二面性があるということです。一つは加水分解を受けてアミノ酸ができやすい「易消化性の部分」といる側面と、胃や小腸からのタンパク質分解酵素に抵抗する「消化しづらい部分」が共存することです。赤ちゃん用のタンパク質だったら全部すぐ消化しやすいように作るのが当たり前と思われるかもしれませんが、ここが食品としての真骨頂で、分解しづらい部分は腸管の中に残り、生理的な役割をすることが推定されています。カゼインのリン酸基にカルシウムが結合して、腸内沈殿して腸内吸収がされづらいとされているカルシウムをいかに多く吸収するかというシステムがこのタンパク質の中にしっかりと組み込まれています。これが、カゼインが食品として作られているタンパク質であるということです。

    草食獣のように弱い動物は、次に親からミルクをもらえるまでの期間が長くなる可能性があるので、それで栄養成分を高くしています。赤ちゃんに効率良くタンパク

  • ミネラル

    牛乳には、ミセル性リン酸カルシウムという特殊なカルシウム構造があるというのが一つの特徴です。ヨーグルトではカルシウムはpHが下がることによって溶け出てきてしまうので、ヨーグルトは全部混ぜて食べないとカルシウムを捨ててしまうことになります。チーズはpHが下がらないのでカルシウムはそのまま全部カゼインミセル内に残っています。

    スライド9

    スライド10

    ミネラルの特徴は二つあります(スライド9)。一つはカリウムとナトリウムの量が3倍違い、圧倒的にナトリウムが少ないことです。あとはリンとカルシウムは1対1で、これはカゼインミセルとの関係です。私たちの体の酵素反応の中で全く必用の無い元素はアルミニウムイオンで、酵素反応に関係していません。アルミニウムイオンは牛乳には入っていないので、やはり牛乳は食品として分子設計されていると思います。生体に不必要なものが入っていないことは実はとても重要なのです。

    牛乳は完全食品であるとよく言われますが、完全食品ではありません。なぜ完全じゃないかというと、食物繊維が入っていないからです。繊維が入っていると完璧だろうと思うが何故入っていないのか。牛乳カルシウムの吸収性が高いというのは、高い仕組みがある他に、逆に吸収を妨げるものが入っていないということが牛乳の最大の特徴です。例えば繊維が入っていない、フィチン酸が入っていない、シュウ酸が入っていないということが牛乳が食品であるという性質を説明しています。

    牛乳中のカルシウムの40%は吸収されます(スライド10)。魚は33%で、大して変わりが無いように見えます。実際、一食分で考えると牛乳1杯を飲むと91mgのカルシウムが摂れ、鰯は3匹食べて14mg、小松菜はおひたしで50g食べて16mg、いかに牛乳の効率が良いか。単なるパーセントではなくて吸収率と実際の食事量で考えなければなりません。こう考えるとやはり牛乳のカルシウムの吸収率は極めて高く、その中で、カゼインフォスフォペプチド(リン酸化したペプチド、CPP)、或いは雪印メグミルクが発見した乳塩基性タンパク質(MBP)というものも大きな役割を果たしています。

    カルシウムは、カゼイン分子のリン酸基にくっつくことで腸内沈殿を免れて腸管から吸収されます。高濃度のリンとカルシウムが必用な時に必用な場所に供給されるという理論に基づいています。 タンパク質の中は、約1%の塩基性タンパクが含まれます。骨は2~3年で入れ替わりますが、そういうリモデリングの中で破骨細胞の性質を抑えて、骨を作る細胞の方を支援するという成分がこの塩基性タンパク質に入っているという画期的な発見があり、これは現在では商品にいかされています。

2.発酵乳(ヨーグルト)の有用成分と機能性

ヨーグルトは、牛乳由来の全成分を摂れるのですが、基本的には乳酸菌を摂る食品だと思われます。日本を代表するプレーンタイプのヨーグルト(スライド11)は、いずれもトクホ(特定保健用食品)の認可を取っています。電子顕微鏡で見ると必ずサーモフィラス菌とブルガリア菌の2つの菌

スライド11
スライド12

がいます。この2つの菌を使った時に初めてヨーグルトと言えます。日本人にとってヨーグルトが良いのは乳糖不耐症の人が多いからです。牛乳を毎日飲むことによって腸管の酵素反応がだんだん高まってくるとよく言われますが、そういったことはありません。牛乳・乳製品を良く摂られる方は、いつも腸内に乳糖が入ってくるので、それを分解する菌が増えてきて、それで対応しているのだと思われます。また、ヨーグルト中の乳糖は50%以上が分解されていますので、乳糖不耐症が起こりづらいということがヨーグルトの特徴の1つです。

プロバイオティクス、プレバイオティクス、シンバイオティクス、イムノジェニクスとか色々な言葉がありますが(スライド12)、基本的には我々の腸管の中にいて、プラスの保健効果をもたらす生きた菌をプロバイオティクスと呼んでいます。大体が乳酸桿菌(ラクトバチルス)とビフィズス菌(ビフィドバクテリウム)です。

プレバイオティクスは、糖とは限らないですが、乳酸菌の餌となるような成分(糖質、オリゴ糖等)を指します。この成分とプレバイオティクス(菌)を一緒に摂取する概念をシンバイオティクスといっています。世界の機能性ヨーグルトでもシンバイオテックヨーグルトが増えつつあります。

特定保健用食品は、現在1,000近くあり、日本のトクホの市場は7,000億位で、そのうちの半部が「お腹の調子を整える食品」です。日本人はよほど腸に自信が無い人が多いのかもしれません。

スライド13
スライド14

各社のトクホヨーグルトですが(スライド13)、特別に選抜された菌を使用しています。菌を変えるとトクホを取り直さないといけないので、勝手に菌をかえることはできません。

ヨーグルトのポイントは2つあり、乳酸と菌体です。乳酸は弱い酸です。しかし、有害菌が無防備に乳酸を取り込むと菌体の中で強い酸に変わり、それを外に出すために相当エネルギーを使って、枯渇して死んでしまうことがあります。それからヨーグルト自体のpHが低いので、食べるとお腹のpHが下がって病原菌を減らすのに役立っています。実際にはヨーグルトの中にある乳酸が腸内細菌に利用され、さらに酪酸だとか色々な有機酸をつくることによって、病原菌を抑えているというのが本当のところです。作られた酪酸は腸絨毛をのばし、ムチン層を増やし、腸管バリアーの増加に役立ちます。

また、菌体はついで非常に重要ですが、さきほどのプロバイオティクスでいうと、胃酸に耐えて、胆汁酸に耐えて、最後に腸管に付着すれば増殖するというプロバイオティクスの3要件を備えているような乳酸菌やビフィズス菌が多く使われています。一般的には菌体の外側の成分、内側の成分といった成分が免疫系を刺激するということが判ってきています。

腸内細菌を考える時に、ポイントは、ビフィズス菌はお腹を守っている菌の一つですが、これは赤ちゃんの時と、大人になった時に菌が変わってくるということがあります(スライド14)。このことを基に、ビフィズス菌を区別して商品化している例としてヤクルトの商品があります。ビフィズス菌が年齢で変わるメカニズムは最近わかってきています。

スライド15
スライド16

この報告(スライド15)によって大きく考え方が変わりました。メタゲノム解析で糞便からの全部のDNAを読んで、菌体のセットだけを取り出すと、1,000種類以上の菌がいるということがわかりました。人の細胞は60兆個ですが、それの150倍の腸内細菌がいるのです。要するに腸内の健康が、我々の総ての健康を支配しているといって過言ではないということです。もう1つショックなのは、上から多い菌数の順に並べると57番目までに乳酸菌もビフィズス菌も入ってこなく、要するに殆どいないということです。ですから日々、相当に留意して食べ物に気をつけるとかストレスを減らすとかしないと我々の健康は維持できないということがよく分かります。また、ヨーグルトなどで日々有用菌を補うということも大切であることを教えてくれました。

プロバイオティクスのなかでも免疫機能を刺激するものをイムノバイオティクスと呼びます。まだ人間の腸管ではまだ確認されていませんが、セグメント細菌(スライド16)というのが、生まれた赤ちゃんの腸管に突き刺さり、それが刺激となって、たとえばリンパ球のTh17細胞を増やし、その後の免疫体系ができるのではないかといわれています。ただそれが暴走する可能性があるので、今後はそういうものをプロバイオティクスで制御していこうという考え方も出てきています。

それから、今までは肥満というのは、肥満の結果として腸内細菌が乱れてきたと考えられていましたが、最近では、腸内細菌の乱れが肥満を作り出していると考えられています。痩せたマウスに、肥満マウスの腸内細菌を移すと、痩せたマウスが肥り始めるということがあります。そういう基礎研究が増えてきています。 雪印のガセリ菌SPを摂取することで、腹囲脂肪(メタボ)の制御が可能ではないかという論文も出されています。

3.チーズの有用成分とその機能性

チーズは基本的に機能性のペプチドとカルシウムを摂る食品です。多くのチーズは熟成させます。パルミジャーノ・レッジャーノは18ヶ月以上、実際には24ヶ月~36ヶ月も熟成させます。なぜ、それだけ待つのか。それは基本的にはグルタミン酸(ナトリウム)の量が増えてきて、うま味が増えてくるということです。グルタミン酸の増加を待ち、そのために長い熟成期間を費やしているということです。熟成が進むとチーズは茶色がかってきますが、アミノカルボニル反応の結果といわれています。おでんやカレーが翌日おいしいのも、ビールののどごしもこの反応に関係しています。こういう反応が熟成の過程で起きています。芳香成分もどんどん出来てきます。例えばブルーチーズのピカンテタイプの舌を刺すようなチオエステルの風味が好きだという人もいますが、そういったものも熟成過程のなかで出来てきます。そして、機能性のペプチドも沢山出てきます。フレンチパラドックスのように、チーズをいっぱい食べているのに、あの抗酸化作用はどこからくるのか。赤ワインとチーズの組み合わせの中でチーズ由来の抗酸化ペプチドが効いているのではないかという学説が有力です。チーズの中に血圧を下げるペプチドもいっぱいあり、また塩分もそれほど高くないので、食べ方によって、血圧が下がると考えられます(スライド17)。

スライド17
スライド18

これは芳香成分を解析する装置です(スライド18)。たとえばゴーダチーズだとアセトインが出ていますが、ブルーチーズになると酪酸だとかヘキサン酸だとか臭そうな酸が出てきています。しかし、これがおいしさに繋がっています。こういった成分も単なる香りではなく、生理機能に繋がっていると思われます。

チーズはカルシウムを摂る食品です。その理由の1つにCPPやMBPがあります。骨粗鬆症を防ぐには、カルシウムをコツコツと貯金していくしかありません。カルシウムを摂ると同時に運動をし、日光にあたらなければなりません。小指の先を日にあたるだけでも良く、また効果は1ヶ月近く残ると言われています。少し歩き、日に当たり、チーズを食べれば、骨粗鬆症は大きく減らせるだろうと思われます。

先程の食品の説明ですが、カルシウムを単独で摂ってもだめです。生体に利用されないように作られているカルシウム塩を摂っても、吸収されません。ここが食品として作られているカルシウムかどうかとの臨界点ですので、これが理解できればそういう食べ方はしなくなります。これもそうですが(スライド19)、カルシウムサプリメントで摂るよりは、チーズ(食品全体)で摂った方がずっと効果があります。

むし歯について、カゼインはもしかすると、エナメル質などの歯との関係が非常に深く、現在新たにみつかった機能は、最初からあった機能だったかもしれないと考えられます(スライド20)。

スライド19
スライド20

おわりに

大人になっても乳を飲んでいるのは、我々人類だけです。自然界の人を除く全ての哺乳動物は、大人になると離乳します。しかし、大人になっても栄養素密度の高い優れた食品としての乳および乳製品を摂ることで、現在の長寿社会が実現していると考えられます。世界の国々が理想としているのは「日本食」です。これに、有用な機能性成分の宝庫である乳および乳製品を日本食に加えることで、さらに世界で最も優れた食事が実現する訳ですので、これを毎日摂りたいものです。将来的に、世界で一番高い我が国の乳価(8000円以上/100kg)がもう少し安価になると、国民の摂取量もさらに増加し、「健康寿命」の長い本当に幸福な長寿社会が実現すると思います。

以上

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