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広報「酪総研」

時の話題

No.18-1 主催者挨拶 雪印メグミルク株式会社 代表取締役社長 中野 吉晴

 只今、ご紹介いただきました雪印メグミルクの中野でございます。主催者を代表して一言ご挨拶申し上げます。

 寒さ厳しいこの頃、本日の酪総研シンポジウムに、このように多くの皆様のご参加をいただき、厚く御礼申し上げます。

 昭和53年の第1回から数えて36年目となりますが、これもひとえに、関係者の皆様のご理解とご支援の賜物と重ねて御礼申し上げます。

 今年度の酪総研シンポジウムは、【国産飼料を最大限に活かした酪農の再構築―飼料自給率向上にむけて】をテーマといたしました。ご講演では、安宅一夫先生、佐藤健次先生、石田聡一先生より、それぞれのお立場から現状や研究成果、今後の方向性などについて話題を提供していただきます。先生方におかれましては、遠路、お忙しいところを協力いただき、ありがとうございます。

 さて、世界的に頻発する異常気象とそれによる被害、新興国の生活水準の高度化による飼料輸入の増加、バイオエネルギーの増産などによって、トウモロコシをはじめとする飼料穀物価格が高騰かつ高止まりしている状況にあります。そして、わが国の酪農畜産は、輸入飼料に依存した飼養形態であるため、飼料穀物価格の高騰が直ちに酪農畜産経営に大きく影響する構造となっております。

 わが国の飼料自給率は、平成23年度概算によりますと、全体の自給率は26%、粗飼料自給率で77%、濃厚飼料自給率では12%の状況となっております。平成22年3月に農林水産省から出された「食料・農業・農村基本計画」では、平成32年度に飼料全体の自給率を38%まで引き上げる政策目標が示されています。

 平成24年度の国の補正予算の中では、「飼料自給力強化支援事業」として、放牧施設・採草地やTMRセンターの改修等を緊急的に実施すると共に、国産稲わら等の国産粗飼料の利用拡大の取り組みに対する支援がなされます。既に生産現場においては、飼料基盤の整備、コントラクターやTMRセンターなどの支援組織の育成、飼料用稲の生産拡大、未活用資源の飼料化などが進められ、穀物相場に翻弄されない国産飼料基盤に立脚した足腰の強い酪農畜産経営の実現に向けた取り組みが行われているところです。

 具体例では、耕畜連携による飼料用米作付面積が前年の2.5倍、稲ホールクロップサイレージは1.5倍に拡大されたこと、エコフィード認証制度の実施や北海道自給飼料改善協議会の設立などがあります。

 また、国際相場に翻弄されないという点では、トウモロコシの調達先を米国から南米へ切り替える動きなどがあります。

 一方、大震災によって引き起こされた草地の放射性物質による汚染の除染対策にも、相当な時間と費用投入を余儀なくされており、懸命な取り組みがなされてはいますが、いまだ道半ばの状況です。被災地への全国からの飼料の支援も行われておりますが、一日も早い草地の復旧が望まれます。

 また、粗飼料の国内流通システムを整備し、国産飼料が全国的に有効に活用されることも関係者で知恵を出し合っていくことが必要であると思います。

 このように、今日ほど「飼料の自給力」が問われ、関係者の熱い思いが一致し、飼料増産に向けた具体的な取り組みを行うことは、わが国において経験したことがないかもしれません。弊社グループにおきましても、雪印種苗が優良品種の開発・導入や草地更新、植生改善などの事業を通して、効率的かつ安定的な飼料生産を支援しています。

 また、酪農総合研究所が生産者と連携して行っている、飼料生産の拡大とその活用のための「実証圃場」調査研究などを通して、少しでもお役に立てればと取り組んでいるところです。

 結びにあたりまして、本日のシンポジウムが総合的なディスカッションの場として、ご参集の皆様それぞれのお立場での課題解決に向けた対応策を見い出すための一助となれば幸いです。

 簡単ではございますが、開会のご挨拶とさせていただきます。

 ありがとうございます。