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時の話題

No.17 平成23年度酪総研シンポジウム「牛乳・乳製品の機能性・おいしさを科学する」第3部「牛乳・乳製品に求めるもの」社団法人札幌消費者協会 理事 松井 英美子

はじめに

 今日は、阿久澤先生のお話で「おいしい」というお話がありました。昨年、道内の酪農現場でチーズを頂く機会に恵まれましたので先にご紹介します。一つ目の酪農家は年中、外で牛を飼い、草は有機の牧草のみで全て自給飼料であり、あとは国産のパルプを少々使うというところでした。飼育頭数は搾乳牛40頭余りで、乳量は少なく5000kgです。普通は6000〜9000kgですが、ここは限りなく無理をさせないということで拘っています。牛乳はノンホモ、低温殺菌で瓶にて販売しています。全てがそう出来るわけではなく一部はメーカーに出荷しています。二つ目は生産者十数戸が販売も一丸になり取り組んでいるところです。飼料には大変苦心され、ポストハーベストフリーのものを使い、将来的に飼料自給率を高めるために飼料米を検討しています。消費者との繋がりに大変熱心に取り組まれ、保育園などに積極的に出荷しています。

 親子の牧場体験などにも熱心に取り組まれている二つの牧場ですが、酪農経営の共通点は、広く環境を視野に入れていることです。特に一つ目は、自分のところへ外から物を入れず、自分のところから外に出さないという循環型を目指しています。また、牛の健康が第一。これは酪農家にとっては当然でしょうが大変拘っています。それから有機飼料やポストハーベストフリーなど飼料に拘っているということと、生産者の飼育への並々ならぬポリシーや誇りを感じました。新鮮な牛乳でとても美味しかったです。ただ、私は経験できましたが、一般の消費者にはとても叶わないことです。では一般の消費者は何を基準にして牛乳を選ぶのでしょうか。

1.消費者が牛乳・乳飲料を選ぶ動機は?Part1

 やはり表示で選ぶということになると思います。牛乳の表示は、食品表示の見本とも言われています。勿論、種類・商品名・乳脂肪等、全て食品衛生法・乳等省令・JAS法・公正競争規約等で決められていますが、ここで一番注目されるのは、製造所の所在・製造者です。加工食品は、この二つが無くても構いません。普通は販売者が代表するものであればいいですが、牛乳に関しては、誰が何処の場所で作ったかを必ず表示しなければならないと決められています。私たち消費者にとって、誰が何処の場所で作ったかということは、とても表示して欲しい項目ですが、牛乳は完全に表示されています。では、ここの中からどんな基準で消費者が選ぶのか。脂肪の量か、殺菌方法か、商品名か、或いは今日お話がありました機能性で選ぶのか、というところがこれからのお話です。

 ここに沢山の牛乳がありますが、まだまだこの他にも多様に販売されています。これを三つのグループに分けて考えてみました。 まず一つのグループは、牛乳の脂肪量を特徴としているものとして分けました。勿論、乳脂肪3.6と、きちっと銘打った物もあれば、今日の阿久沢先生のお話の中に、おいしさの決め手に脂肪の3.5プラス0.3位がおいしいかな、ということがありましたが、3.6、3.7、3.8という牛乳はよく販売されています。次の低脂肪牛乳は、栄養素がその牛乳で足りていて、30%位カロリーが少ないことを製品のポイントとしています。次のメグミルクですが、発売された時には赤いパッケージがとても印象的でパッケージを見ると赤のヒミツという表示がありました。この赤が賞味期限を延ばすということを、どこまで消費者が分かっているかは分からないですが、多分に赤が好みで選ぶということもあると思います。

 次のグループは商品名です。おいしい牛乳が発売された時に、おいしいというのは何だろうと思いましたが、おいしいということで選ぶ消費者もいると思います。次は、美瑛とか地名が書いてあります。それとこの絵です。絵のところがとても印象的で、いかにも牛乳をイメージしたものと美瑛という知名度で選ぶ、それと地域限定であるということで選ぶというのもあると思います。根釧牛乳も同様で、地名で選ぶというのもあると思います。

 あと一つはこの上の部分で、製法とか機能性で選ぶ。これは乳飲料ですが、これ一つでカルシウムも補強され、足りないと言われる鉄分も補強され、おまけに葉酸も入り健康に気を使う人が選ぶ商品という気がします。また、オーガニック牛乳は日本ではまだ一つしかないと思いますが、オーガニックに拘っている人にとっては、これは選ぶ一つの牛乳と思います。こちらは、ほんとの牛乳という商品で、何がほんとなのかよく分からないですが、ノンホモであること、低温殺菌であること、風味など好きな方が選ぶと思います。

 好みにより牛乳を選びますが、最後は価格になると思います。それを証明するデータがあります。平成23年の料理教室に参加された263名のアンケートをとったもので複数回答です。その結果、牛乳が一番多く、次が低脂肪、そして成分調整、加工乳となっていますが、やはり圧倒的に普通の牛乳が飲まれているということは、ある程度価格的なことがあると思います。

2.消費者が牛乳・乳飲料を選ぶ動機は?Part2

 消費者が牛乳・乳飲料を選ぶ動機ですが、先ほどのお話にもありましたが、美味しいから選ぶのか、健康に良いから選ぶのか、また両方というところもあるでしょう。例えば低脂肪を選ぶ方は少しでもカロリーが少なく栄養素が足りているものということで選ぶ。ヨーグルトは体に良さそうとか、お腹に良いからとか、またヨーグルトは美味しいからということもあります。そこで一つ調査したのを見て頂きたいですが、ヨーグルトは特保が取られています。この特保に関してもアンケート調査を協会で行いました。

 特定保健用食品の認知度ということで、平成23年度にアンケートだけに協力して頂ける専門の調査員の方に来ていただきました。ある程度勉強している方たち102人の数字ですが、その中で特保について内容まで概ね知っている人は、全体の四分の一位。名前だけ知っているという人は65%、その他知らないなど。実際にヨーグルトは、私たちの生活の中で非常にたくさん食べられていますが、内容迄詳しく知っている人は、意外と特定保健用のマークが付いているにも関わらず知らない人が多いのが現実です。機能性食品などを発売する時に、その内容まで分かって貰えるのは難しいことと思われます。詳しく知らず何かに良いから、と消費に走る消費者の姿がここから見えます。

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