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No.16 自給飼料『実証圃場』調査研究3ヵ年のまとめ 雪印種苗と雪印メグミルクの事業連携報告

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課題別の総括、並びに今後の展望

【I】「作溝型更新機械」を活用した草地(簡易)更新(2ヵ所)
 No.1【中川町、A牧場】  No.2【八雲町、B牧場】

【II】イタリアンライグラスを活用した、「草地強害植物」(雑草)の抑制(1ヵ所)
 No.3【幌延町、C牧場】

【III】冬枯れ抵抗性アルファルファ『ケレス』の普及促進(4ヵ所)
 No.4【大樹町、D牧場】  No.5【中標津町、E牧場】  No.6【別海町、F牧場】  No.7【岩見沢市、G牧場】

【IV】耐病性F1トウモロコシ『ビビッド』などの普及促進(1ヵ所)
 No.8【新冠町、(株)にいかっぷアグリサービス】

【III】冬枯れ抵抗性アルファルファ『ケレス』の普及促進

【技術要素】
 新品種『ケレス』の特性を、良質自給飼料増産場面で発揮させる
1.【ケレスの特性】
(1)(1)越冬性、永続性が優れ、全道で利用可能、(2)冷涼地帯で多発するソバカス病に強い、(3)収量性が優れる、(4)バーティシリウム萎ちょう病抵抗性品種である。
(2)育成段階から、雪印種苗(株)芽室試験地(十勝)、別海試験地(根室)で、系統の評価・選抜が実施され、その結果、土壌凍結地帯における優れた適応性が付与されている。
2.【汎用性】
 今まで、アルファルファの栽培が困難とされてきた、十勝や根室においても、実用的な栽培が可能である。試作協力をいただいている、大樹町K牧場、別海町F牧場では、播種8年目、利用7年目の混播草地が利用されており、その優れた適応性・永続性が実証されている。
3.【経 過】
 No.4「大樹町 D牧場」では、播種適期を遵守され、3ヵ年にわたる越冬も順調、その後のスタンドも良好で、トップ収量をあげている。
写真-1 大樹町D牧場(H23.5.19)――利用3年目1番草――
写真-1 大樹町D牧場(H23.5.19)――利用3年目1番草――

 No.5「中標津町 E牧場」
(1)簡易更新と全面更新の比較も加味されて、初年目は全面更新区のスタンドが良好であった。
(2)簡易更新区については、初年目、初冬期に追播(フロストシーディング)などの救済手当がなされた。その結果、利用1年目のII番草では、両区とも同程度のスタンドが確保された。
(3)平成22年度においては、全面更新区ではギシギシの密度が高く、一方、簡易更新区では、リードカナリーグラスの草生割合が高く、顕著な傾向となった。
4.【経済性】
 第2年度より、別海町「ケレス友の会」のメンバー、No.6「別海町 F牧場」が「実証圃場」調査研究に加わった。
 8ヵ年にわたる「ケレス混播草地」が用意されており、それらの自給飼料生産場面における経済性について、ご協力をいただきながら、その有利性を明らかにしたい。
写真-2 造成6年目 II番草(21.7.23.時点)
写真-2 造成6年目II番草(H21.7.23.時点)

5.【問題点】
 No.7「岩見沢市 G牧場」
(1)播種当年、播種期が9月16日と、約1カ月遅れでのスタートとなった。芽だしは良好であったが、越冬態勢を確保するに至らず、春のスタンドは、崩壊状態であった。
(2)播種割合も、アルファルファ「ケレス」:チモシー「ホライズン」=3:1であり、播種期遅れと、播種割合が、結果的にミスマッチし、鎮圧不足も足を引っ張る結果となった。
(3)2年目、4月2日に、再度、ブリリオンによる播種が行われ、9月1日、シードマチックによる追播が実施された。
(4)平成22年春、アルファルファ「ケレス」の順調な越冬状況が確認でき、収量もあがっている。
(5)牧草地の造成も、最初につまずくと、ずるずるとてこずることがある。G牧場もそのケースであったが、北海道研究農場のご支援をいただき、やっと軌道に乗せることができた。
6.【今後の展望】
(1)この技術要素は、平成21年春より、北海道と雪印メグミルクグループとの包括連携協定の取組みテーマに採用され、北海道における自給飼料生産強化の一環として、官民連携しての、一層の普及・促進が進行することとなった。
(2)平成22年度、実証圃場調査事業としても、8課題中の4課題を占めており、3年目はここに重点をおいた取り組みが展開されたことになる。

【IV】耐病性F<sub>1</sub>トウモロコシ『ビビッド』などの普及促進

【技術要素】
 ススモン病多発エリアでの高カロリー自給飼料の安定確保
1.【ビビッドの特性】
(1)(1)ススモン病抵抗性が極強、(2)耐倒伏性が極強、(3)雌穂は実入りが良く、(4)TDN収量が高い、80日クラスである。
(2)雪印種苗(株)北海道研究農場では、育種母材・系統段階から、ススモン病の幼苗接種検定を重ねており、中でも『ビビッド』は抜群の抵抗性を示している。
2.【経 過】
(1)初年目、大樹町D牧場、T牧場において、連作のため例年ススモン病が激発していたが、『ビビッド』の栽培によって、病気を回避した高品質F1トウモロコシサイレージを調製することができた。
(2)特に、D牧場は、アルファルファ『ケレス』混播草地の造成(課題No.4)にも取り組み、両者の組み合わせ給与によって、経営の改善をはかることを視野に入れている。


 No.8「新冠町(株)にいかっぷAS」
(1)総面積40ha強、F1トウモロコシのラッピングサイレージ調製・供給を進めている。
(2)ススモン病の発生も少なく、ニューデント105日、110日が栽培されているが、パイオニア品種の罹病度が高まり、その差、評価が開きつつある状況にある。
(3)平成22年度は、全て、ニューデント系品種が採択されるに至った。
3.【汎用性】
(1)F1トウモロコシはTDNの自給力アップには最も適した作物と言え、畑作地帯における耕畜連携にも組み込みやすい作物であり、栽培の更なる拡大が期待されている。

(2)『ビビッド』のススモン病抵抗性は抜群であるが、ニューデントシリーズのラインナップは、いずれも実用程度の抵抗性は備えており、地域、作付期間に応じた適品種の選択が可能となり、新冠町でも、高い評価が得られている。
4.【今後の展望】
(1)配合飼料の高騰⇒F1トウモロコシ栽培の取組み強化、この図式は定着を辿るものと思われる。
(2)ニューデント系の優れたススモン病抵抗性が評価され、40ha全量受注に至っている。
(3)『ビビッド』を中心として、周辺クラス品種をもPRし、全道各地で更なる需要喚起へつながることを期待したい。
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