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No.14 自給飼料『実証圃場』調査研究2ヵ年のまとめ 雪印種苗と雪印メグミルクの事業連携報告

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課題別の総括、並びに今後の展望

【I】「作溝型更新機械」を活用した草地(簡易)更新(3ヵ所)
 No.2【中川町、A牧場】  No.3【八雲町、B牧場】  No.5【美瑛町、X牧場】

【II】イタリアンライグラスを活用した、「草地強害植物」(雑草)の抑制(1ヵ所)
 No.1【幌延町、C 牧場】

【III】冬枯れ抵抗性アルファルファ『ケレス』の普及促進(4ヵ所)
 No.4【大樹町、D牧場】  No.6【中標津町、E牧場】  No.7【別海町、F牧場】  No.9【岩見沢市、G牧場】

【IV】耐病性F1トウモロコシ『ビビッド』などの普及促進(1ヵ所)
 No.10【新冠町、(株)にいかっぷAS】

【V】冬作ライムギの導入(栽培)による、自給飼料作物の生産増強(2ヵ所)
 No.8−1【清里町、(農)Y牧場】  No.8−2【清里町、(有)Z牧場】

【III】冬枯れ抵抗性アルファルファ『ケレス』の普及促進

【技術要素】
 新品種『ケレス』の特性を、良質自給飼料増産場面で発揮させる
1.【ケレスの特性】
 (1)越冬性、永続性が優れ、全道で利用可能 (2)冷涼地帯で多発するソバカス病に強い (3)収量性が優れる (4)バーティシリウム萎ちょう病抵抗性品種。
 ※育成段階から、雪印種苗(株)芽室試験地(十勝)、別海試験地(根室)で、系統の評価・選抜が実施され、その結果、土壌凍結地帯における優れた適応性も付与されている。
2.【汎用性】
 今まで、アルファルファの栽培が困難とされてきた、十勝や根室においても、実用的な栽培が可能である。試作協力をいただいている、大樹町 K牧場、別海町 F牧場では、播種7年目、利用6年目の混播草地が利用されており、その優れた適応性・永続性が実証されている。
3.【経 過】
 No.4「大樹町 D牧場」は、播種適期を遵守され、2ヵ年にわたる越冬も順調、その後のスタンドも良好で、トップ収量をあげている。

 No.6「中標津町 E牧場」では、簡易更新と全面更新の比較も加味されており、当初は全面更新区のスタンドが良好であった。簡易更新区については、初年目冬期に追播(フロストシーディング)などの救済手当てがなされている。その結果、利用1年目の II番草では、両区とも同程度のスタンドが確保されている。
写真-1 大樹町杉村牧場(21.5.18)――利用1年目1番草――
写真-1 大樹町D牧場(21.5.18)――利用1年目1番草――

4.【経済性】
 第2年度より、別海町「ケレス友の会」のメンバー、No.7 「別海町 F牧場」が「実証圃場」調査事業に加わった。
 7ヵ年にわたる「ケレス混播草地」が用意されており、それらの自給飼料生産場面における経済性について、ご協力をいただきながら、その有利性を明らかにしたい。
写真-2 造成6年目 II番草(21.7.23.時点)
写真-2 造成6年目 II番草(21.7.23.時点)

5.【問題点】
 No.9「岩見沢市 G牧場」では、播種期が9月16日と、約1カ月遅れでのスタートとなった。芽だしは良好であったが、越冬態勢を確保するに至らず、春のスタンドは、崩壊状況であった。
 播種割合も、アルファルファ「ケレス」:チモシー「ホライズン」=3:1であり、播種期遅れと、播種割合が、結果的にミスマッチし、鎮圧不足も足を引いていた。

 4月2日に、再度、ブリリオンによる播種が行われ、9月1日、シードマチックによる追播が実施されている。(平成22年春、アルファルファ「ケレス」の順調な越冬を確認)
 牧草地の造成も最初に手こずると、その後も上手に進まないことがある。G牧場もそのケースであった、北海道研究農場のご支援をいただき、やっと軌道に乗せることができた。
6.【今後の展望】
 この技術要素は、平成21年春より、北海道と雪印メグミルクグループとの包括連携協定の取組みテーマに採用されている。北海道における自給飼料生産強化の一環として、官民連携しての、一層の普及・促進が進行することになっている。

 実証圃場調査事業としても、10課題中の4課題を占めており、3年目もここに重点をおいた取り組みを展開することになる。

【IV】耐病性F<sub>1</sub>トウモロコシ『ビビッド』などの普及促進

【技術要素】
 ススモン病多発エリアでの高カロリー自給飼料の安定確保
1.【ビビッドの特性】
(1) ススモン病抵抗性が極強 (2)耐倒伏性が極強 (3)雌穂は実入りが良く、TDN収量が高い、80日クラス
※雪印種苗(株)北海道研究農場では、育種母材・系統段階から、ススモン病の接種試験を重ねており、中でも『ビビッド』は抜群の抵抗性を示している。
2.【経 過】
 初年目、大樹町 D牧場、とT牧場において、連作のため例年ススモン病が激発する圃場で、抵抗性品種『ビビッド』の栽培によって、病気を回避した高品質F1トウモロコシサイレージを調製することができた。
 特に、D牧場は、アルファルファ『ケレス』混播草地の造成にも取り組んでおり、今後、両者の組み合わせ給与によって、経営の改善をはかることを視野に入れている。

 No.10「新冠町(株)にいかっぷAS」では、40ヘクタール強のラッピングサイレージの調製・供給を進めている。ススモン病の発生も少なく、ニューデント105日、110日が栽培されているが、パイオニア系品種の罹病度が高まり、その品種間差、評価が開きつつある。
3.【汎用性】
 F1トウモロコシはTDNの自給力アップには最も適した作物と言え、畑作地帯における耕畜連携にも組み込みやすい作物であり、栽培の更なる拡大が期待されている。
 『ビビッド』のススモン病抵抗性は抜群であるが、ニューデントシリーズのラインナップは、いずれも実用程度の抵抗性は備えており、地域、作付期間に応じた品種の選択が可能となり、新冠町でも、高い評価が得られている。
4.【今後の展望】
配合飼料価格の高騰⇒F1トウモロコシ栽培の取組み強化  、この図式は定着を辿るものと想定される。
 今春は、スノーデント系の優れたススモン病抵抗性が評価され、40ヘクタールの全てで採用・栽培されるとの連絡を受けている。
 『ビビッド』を中心に、周辺クラス品種をもPRし、全道各地での更なる需要喚起へつながることを期待したい。

【V】冬作ライムギの導入(栽培)による、自給飼料作物の生産増強

【技術要素】
 ライムギ導入による、2年3作、自給飼料増産チャレンジ
1.【導入場面】
 網走・北見管内は畑作がメインであるが、限られた土地資源を活用した酪農経営も展開されている。2年3作による飼料増産を期待し、No.8「清里町、2牧場」が取り組んでいる。(平成21年秋、F1トウモロコシの収穫にて、2年3作の体系が完結、終了とした)
2.【技術体系】
初年目 F1トウモロコシ栽培・収穫(9月下旬) →ライムギ播種(9月下旬〜10月上旬)
2年目 ライムギ栽培・収穫(6月上旬) →F1トウモロコシ播種・栽培(6月上旬)〜
    →F1トウモロコシ収穫(10月中〜下旬)
3.【問題点】
 積算温度条件が限られた北海道・当該エリアでは、(1)スピーディーな作業が要求されること (2)気象の年次変動による、収穫量・品質のブレが大きいこと、などが指摘できる。
 ライムギの導入が困難な場合は、イタリアンライグラスの代替も検討できる。
写真-1 清里町 Y牧場ライムギ「キタミノリ」
写真-1 清里町 Y牧場ライムギ「キタミノリ」

4.【今後の展開】
 土地資源が少ないという制約のもとで、問題点で指摘したように、労働的にあわただしく、かつ気象条件に伴う不安定性がぬぐえないなど、難しい技術要素である。
 当該体系を導入するには、耕畜連携(畑酪連携)などの条件整備が必要となり、地域資源循環などの動向がかぎをにぎってくる。
 地球温暖化、耕畜連携、自給率向上など、フォーローの風がないでもないが、個別経営における有利性があるかどうかを、慎重に判断してゆくことが重要と思われる。
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